ビザンツ帝国を舞台にした漫画「アンナ・コムネナ」を読んだ
お久しぶりです。私は先日、革命的漫画に出会いました! その名も『アンナ・コムネナ』です。
何が革命的かというと、ビザンツ帝国を物語のメインに据えた商業作品って日本では皆無に等しいからです笑
この漫画はビザンツ帝国コムネノス朝の初代皇帝アレクシオス1世*1の娘 アンナ・コムネナを主人公に据えた作品です(因みに、アンナの弟がのちの皇帝ヨハネス2世*2です)
ビザンツ研究者の方々の協力を得て、様々な文献・研究書等を参考に描かれているようです。そのため、ビザンツの知識が豊富に盛り込まれています! 漫画なので、アレクシオス1世の治世とか当時の政治の動きとか、かなりわかりやすく理解できますね!
勿論ためになるだけじゃなくて、主人公アンナやその他の登場人物たちが魅力的なキャラとして描かれてますよね! 絵柄も可愛いし!
アンナを主人公に据えた作品には『緋色の皇女アンナ』という小説(訳本です)もあって、これも面白かったし読みながら泣いたんですが、アンナの視点に寄りすぎていて、ヨハネスが一方的な悪者になってる部分があって。
勿論、アンナにとって、彼はいけ好かない弟であったと思いますが、ヨハネスサイドの葛藤とかフォローもちゃんと入れられてて良かったです。
あと、ビザンツのこの時代って特に同じような名前の人物がたくさん出てきて、(私は大学でビザンツ史をちょっと齧ってたので、「あ〜、こういう奴おったよな」って思いますが)ビザンツに全く造詣のない人が読んでスムーズに理解できるのかと思いましたが、Amazonでも沢山の人がレビューしてて、 ビザンツクラスタ*3以外にもちゃんと届いてるんだと嬉しい気持ちになりました。
この本を読んで、ビザンツってこんな面白いんだって沢山の人に思ってもらえると嬉しいな。
でも、ビザンツにはコムネノス朝時代だけじゃなくて、まだまだ面白いネタが無数に転がってますから!
この漫画が成功して、今後他の時代の商業化作品も出てくると良いなあ。
あと、これを機に沢山の人がビザンツに興味を持って、大学で専攻する人も増えて、日本でのビザンツ研究の裾野が広がったらいいなあと思いました。